中途採用の方に向けて
転職により太田ジオリサーチで働くようになったメンバーの声です。
転職のきっかけ
前職では中堅コンサルタントの管理職を務めていました。大手企業になるほど、多くの受注額が必要になります。私の場合も同様で、常に複数の管理技術者、担当技術者を担いながら、社内の原価管理、勤怠管理などの管理職とプレイヤーを兼務する多忙な日を送っていました。多くの業務を同時並行に実施しますが、体は一つです。したがって、必然的に協力会社へ部分的に業務を委託することになります。言葉を選ばず言うと、業務のパーツは協力会社に作成してもらい(材料を提供してもらい)、体裁を整え、パッケージすることが仕事の大部分になってきます。
中堅や大手のコンサルタントでは、数多くの業務を担当し、色々な業務に携わるため、幅広い業務経験を積むことができます。また人脈の広がりや、安定した給料などの良い点があります。一方で、ひとつひとつの業務を一から作り上げるという経験を積むには難しい面があります。
日中は打合せ、社内会議、メール対応、課内の問題業務のフォローなどに追われ、自分が担当する業務を行うのは、俗にいうアフターファイブ以降……。新しいことに取り組む余裕がありませんでした。また、何とか年度の売り上げ目標を達成しても、また翌年は数%アップの上乗せ目標を課せられる……。ちょうど30代の半ばに差し掛かる頃です。こんなことを続けていたら、スキルアップすることができず、「技術屋」ではなく「打ち合わせ屋」になってしまう……。自分がやりたいのはこんなことではないな……。そんなことがきっかけとなり、転職を考えるようになりました。
零細企業である当社の状況
会議がありません
社内用の会議資料を作る必要はありません。そもそも会議がないからです。相談したいことがあれば、雑談を始めればそれでOKです。社内向けの資料制作や会議が無い状況では、こんなにも自分の仕事ができるのか、と驚いています。一日を振り返って、自分の担当している業務の仕事を何もしていない、何もできていない、という日は皆無です。
稟議書や企画書がありません
新しい機械やソフトウェアの導入など、新しいことを始めるのに稟議書や企画書は必要ありません。社長と雑談しながら、これ必要なんです……。これやってみませんか?という軽いノリで新しいことにチャレンジできます。
人事考課がありません
自己評価や人事考課がありません。そんな規模の会社ではないからです。目標の売り上げを達成するために、各々のキャパシティを拡げて、効率化していきましょう。会議や社内資料の作成では不要ですから、効率を上げる方法を一緒に模索しましょう。ちなみに私は給与面で不満を感じたことはありません。
部下やアシスタントはいません
簡単な雑務から報告書の作成まで、自分で手を動かさないと何にも進みません。「これ、あとよろしく」と任せられるようなアシスタントは誰もいません。このあたり改善の余地がありそうです。正直、簡単な雑務くらいは任せたいと思うこともあります。アシスタントや部下に「これよろしく」と言う働き方を希望される方は、違う場所を選んだほうが良いかもしれません。
キャリアパス
私は前職で技術士資格を2分野で取得し、転職後にさらに2分野取得しました。一般には、中堅や大手コンサルタントの方が技術士資格を取得しやすい、と思われています。確かに、資格取得に対するサポートは、それらの企業の方が手厚いかもしれません。ただ、技術士試験はテクニックによる部分もありますので、我々もその辺をサポートすることはできます。技術士試験は、物事を体系的に整理し、課題を抽出し解決策を提案する能力が求められます。技術士試験に合格するために試験勉強することも必要ですが、これらの力は、実務で積み重ねるのが最も良いと考えます。
20代で色々な業務を経験して、下地を作り、30代で技術士を取って、責任ある立場でプロジェクトを担う。40代以降は終わりのない自己研鑽でしょう。私は、自己研鑽というのは講習会に行ったり、学会発表することだけではないと思います。自分の手を動かして試行錯誤することこそが、本来あるべき自己研鑽の姿だと思います。自分の手を動かすと、色々なことを調べたり、覚えたり、思考したりします。頭が働く期間は、限られています。その期間に実力を蓄えておくことが、最も確実にこの業界で生き残る手段だと私は思います。
弊社に向いている人
一般的に常識とされていることに疑問をもつことができる人の方が、弊社に向いていると思います。例えば「地球温暖化」というテーマについて考えてみましょう。「脱炭素化して温暖化を食い止めましょう」と、温暖化は悪いらしいけれど、本当なのか?暖かいことの何が悪いのか?氷河期より良いのでは?脱炭素化というビジネスのために温暖化という言葉を利用していないのか?そもそも現在問題にしている温暖化は地球科学のタイムスケールで考えたら大したことがないのでは?「常識」といわれていることを「本当にそうなのか」と疑うことが好きな人が弊社に向いていると思います。疑うということは、物事を多面的にみるということ。そういう癖(ヘキ)を持っているぐらいの人がちょうど良い、ということです。
私は、物事を多面的に考える思考形態はとても大切だと思います。この仕事は、地盤という自然現象を相手にしています。だからこそ、どのようなメカニズムで発生しているのか、いろいろな仮説を立てて、ひとつずつ可能性を絞り込んでいくのです。ひとつの現象に対して、色々な見方でアプローチすることが必要です。本当はどうなのか、という科学的事象の原因追及に関心が持てない人、決まりや指針、マニュアルにしたがって仕事を進めたい人は、うちの会社には向いていないかもしれません。
最後に、体力は必要だと思います。夢中になって、1日中外で遊び続けたり、飲み続けたりしても、次の日もいつもどおり元気!というぐらいの体力があった方が良いと思います。