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法面小段排水溝フィルタ

法面小段排水溝フィルタ「ハイランナー」

概要

「ハイランナー」は、法面小段排水溝用フィルタです。小段排水溝は落葉の堆積で通水不良となりやすく、オーバーフローによって法面を崩壊させてしまうことがしばしばあります。ハイランナーは、このような崩壊の防止を目的とします。鋼製のフィルタを山型の形状にすることによって、晴天時は落葉が乾きやすく、自然の風で落葉を吹き飛ばすことができます。このように自然の力を利用し、降雨前は排水溝を清掃済み状態にすることができ、降雨時の表流水は、適切に排水溝へ流入させ排水させます。

ちなみにハイランナーの名前の由来は「枝や葉が、排水溝に入らん」→「入らんなー」です。広島では、「入らない」を「入らん」と言います。

  • 概要

法面の崩壊原因

水路閉塞が原因となった法面崩壊事例

法面小段水路や集水桝が落葉で閉塞して、水が溢れて、局所的に法面を水が流れて崩壊する、という事例はとてもよくあることです。従来のメッシュの蓋をしても、結局その上に落葉が溜まって、水路に全く水が落ちないということになります。 NEXCOは、下図の統計を発表しています。崩壊原因の約半分は、排水構造物が関与しているということが読み取れるかと思います。排水構造物が閉塞していることが疑われます。

高速道路資産の長期保全及び更新のあり方に関する技術検討委員会:第2回委員会資料(P50)引用

  • 水路閉塞が原因となった法面崩壊事例
    水路閉塞が原因となった法面崩壊事例
  • 水路が落ち葉や枯れ枝で埋まっている事例
    水路が落ち葉や枯れ枝で埋まっている事例
  • 排水構造物が関与している崩壊の割合
    排水構造物が関与している崩壊の割合

ハイランナーの役割

  1. 晴天時は、特殊メッシュ構造の通気性を活かし、落葉の乾燥を促進し飛散を促します。
  2. 落葉の飛散によって、降雨前の排水溝は、清掃済み状態となります。
  3. 降雨時は、雨水を取り込む特殊形状を活かし、排水を維持します。

最終目標

排水能力を維持して、法面小段排水溝のオーバーフローを防ぎ、法面崩壊を抑止することにあります。

  • ハイランナーの役割

参考文献

太田英将ほか:「法面水路工の閉塞・溢水防止装置」、日本地すべり学会 平成30年度研究発表会、2018.8.22(新潟)

特長

1:立体断面によるフィルタ機能

  • 頂点を偏心させた三角断面とすることで、枝葉などが堆積しても溝への排水能力を維持します。

2:特殊立体メッシュの採用

  • 表面の凹凸が枝葉との接点を減らし通気性を確保、排水溝内部からの通気も活用し、堆積した枝葉の乾燥を促し自然に飛散させることで、排水機能を維持しながら清掃作業が節減できます。
  • フィルタを取り外さなくても、開口率の高いメッシュから側溝内が確認できます。

3:軽量・高耐食性

  • 高耐食性メッキ鋼板を採用し、腐食に強い。
  • 製品重量も3kg程度のため、運搬、設置が容易。

4:飛散防止用フェイルセーフシステム

  • 強風による万一の飛散対策として、ステンレスワイヤーによる連結が可能です。
  • 立体断面によるフィルタ機能
    立体断面によるフィルタ機能
  • 特殊立体メッシュの採用
    特殊立体メッシュの採用
  • 飛散防止用フェイルセーフシステム
    飛散防止用フェイルセーフシステム

仕様

高耐食性めっき鋼板L=600(一般的なU字溝のL=600に合わせました)重量3.1kg/枚ワイヤーによる飛散防止対策が可能

注意事項

  • フィルタは蓋ではありませんので、上載は不可となります。
  • 清掃の低減を目指していますが点検と清掃不要ではありません。点検と必要に応じて清掃を行って下さい。
  • 切断面に軽度の初期赤錆が発生しますが、安定した保護皮膜が切断面を覆いますので、長期的には腐食はほとんど進行しません。その後、時間の経過とともに保護皮膜の効果により、進行が抑えられ、端面を覆い目立たなくなります。
  • 運搬・敷設する際には、必ず革手袋など着用し、素手で取り扱わないようにしてください。鋭角部がありますので、ケガをする恐れがあります。
  • 注意事項