谷埋め盛土 地震時変動予測 文献
■■■■■■■ 統計的手法 ■■■■■■
- 釜井俊孝、守随治雄、笠原亮一、小林慶之(2003);地震時における大規模宅地盛土斜面の不安定化予測、日本地すべり学会誌第40巻第5号、pp.22-39.;ニューラルネットワーク手法により宅地盛土の地震時変動を予測する手法を公表した論文である。
- 釜井俊孝、守随治雄、太田英将、原口強(2000);"都市域における地震時斜面災害のハザードマップ−宅地盛土斜面の変動予測−"平成12年度日本応用地質学会シンポジウム予稿集pp.22-37;阪神淡路大震災における阪神間の宅地谷埋め盛土の変動を数量化解析した結果を公表した論文である。幅/深さ比が変動原因の最も大きい要因であることが初めて示された。
- 釜井俊孝、守随治雄(2002);『斜面防災都市−都市における斜面災害の予測と対策−』p.200、理工図書;都市の中の斜面問題、特に谷埋め盛土と地震の関係について書かれた書籍である。数量化U類による解析結果は、p153-154に記載されている。釜井ほか(2000)の数量化解析を見直し、より精度の高い手法となっている。
■■■■■■■ 力学的手法 ■■■■■■
- 太田英将、榎田充哉(2006);"谷埋め盛土の地震時滑動崩落の安定計算手法"、第3回地盤工学会関東支部研究発表会講演集、pp.27-35;太田(2005)で提案された矩形モデルでの安定計算手法を、阪神間データセットにより検証し、その過程で改良を行ったものである。谷埋め盛土の谷埋め盛土滑動崩落の安定計算手法として提案され、実例で検証された現時点で唯一の論文である。
- 太田英将(2005);"宅地地盤の地震時盛土スベリのメカニズムと対策方法"、第44回日本地すべり学会研究発表会講演集、pp.513-516;宅地谷埋め盛土の対策方法を簡易に入手できる情報のみで設計するために提案された、矩形モデルを用いた簡易安定解析手法の原型である。底面と側面の強度差が大きい場合には、側部摩擦が安定条件に大きな影響を与えるという太田・林(2001)を、地震時の盛土挙動に応用した手法である。
- 太田英将・林義隆(2001);"周縁部摩擦効果を考慮した地すべりの3次元安定解析"、日本地すべり学会誌、第38巻、第3号、pp.320-324;底面と周縁部(側面・末端部など)とのせん断強度の差が大きい地すべりの場合(多くの地すべりの場合はそうなる)、底面と周縁部に関して別々の強度を用いることで土塊のバランス状態を正しく計算できることを示した論文。この手法を用いれば、土質試験結果をそのまま利用して安定計算を順解析により行うことが可能となる。その実証例は、平成18年日本地すべり学会関西支部シンポジウム「実測値のみを用いた斜面安定解析の可能性」において、太田英将(太田ジオリサーチ)、中川渉(応用地質)、眞弓孝之(国土防災技術)によりそれぞれ示された。