太田ジオメールマガジン[217]~豊洲の土壌汚染を立体的に見てみる、の巻~

土壌・地下水汚染対策をするなら3次元可視化技術を使いましょう

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━ Vol.217 ━ 2016.10.5━

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┃★豊洲のベンゼン汚染の3次元可視化
┃  東京都が調査データを公開していますので、その情報のみを使って浄化前
┃  のベンゼンの3次元可視化をしてみました。
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会社のホームページがスマホ対応になりました。http://www.ohta-geo.co.jp

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■豊洲のベンゼン汚染の3次元可視化
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土壌汚染・地下水汚染は、人間のしでかしたことなので自然のルールが適用しに
くいという特徴があります。地層であれば、堆積のルールなどを活用してかなり
正確に推定できますが、汚染はルール無視して汚染物質を漏らしているので分布
の推定が難しいのです。

それを優しくするためには、3次元可視化が最も簡単で合理的です。しかし、平
面図や水平断面図などは作られているようですが立体的な分布図は、いまだに作
られることが少ないようです。その理由はわかりません。

東京都がデータを公開していますので、EVS(Earth Volumetric Studio)を使っ
て3次元可視化してみました。いまいろいろ騒ぎになっていることが、この3次元
可視化によって何か見えるものがあるかもしれません。

ホームページに、「豊洲土壌・地下水汚染の3次元可視化」というのを追加して
作成しました。

豊洲土壌・地下水汚染の3次元可視化
http://www.ohta-geo.net/toyosu_page.html
(スマホでご覧の方は、PCページ用の表示にしてご覧ください)

当社は、この場所に何もかかわっていませんので、安全とか危険とかいった人為
的な閾値での話はできません。浄化した箇所とプルームの関係を見ると、主だっ
たとは浄化され、一部浄化しきれていないかもしれない箇所が残存するといった
ことが読み取れます。

土壌汚染は「人為的」とは言っても、地中に浸透した後はある程度自然のルール
に従って広がります。土壌汚染防止法のような10mメッシュでは取りこぼしがあ
るリスクも回避することができます(そもそもこの法律は浄化のためのものでは
なく、健康被害を避けるためのものですから、メッシュ法が悪いわけではありま
せん)。

土壌浄化した上に覆土する判断がなされたのは、こうした「少しの浄化漏れ」は
避けられないと専門家会議の方々が考えられたからかもしれません。

新しいEVSでは、作成した3次元モデルを、SketchfabというWEBページにアップロー
ドすることができます。

EVSの開発会社であるアメリカのC tech社と一緒に、3次元可視化モデルの公開実
験を行っています。解説が英語になっているのはそういう理由です。
(編集後記)
EVSは15年以上前から当社が販売代理店になって、主として土壌汚染対策をされ
る水処理関係の企業や環境コンサルタントや研究者の方々に販売しています。問
題の性質上、データの公表ができないことが大半なので、今回の豊洲の事例は、
実際のデータが使える良い機会でした。EVSは、以前はEnvironmental
Visualization Systemの略でしたが、最近はEarth Volumetric Studioの略とい
うことに変わりました。製作者の想いがこもっているのだと思います。
一番最初に、ある有名な土壌汚染現場で使われましたが、「こんな生々しい絵は
使えない(公表できない)」という珍しい理由で資料から外されたことがありま
した。(H.O)